2013年09月20日

涙の宮里美香、最終日に大崩れ、日本人メジャー制覇はいつ?

絶好の機会だった。9月15日に幕を閉じた女子ゴルフの今季メジャー最終戦、エビアン選手権は2009、11年に宮里藍が優勝し、宮里美香にとっても10年6位、11年9位、12年16位とコース相性は決して悪くない。それだけに、2位に1打差をつけて首位で最終日を迎えた宮里美香には1977年に全米女子プロ選手権を制した樋口久子以来の日本選手のメジャー制覇の期待が大きかった。

 ところが、最終日はまさかの79。バーディーなしの3ボギーと崩れかけて迎えた7番(パー5)が決定的だった。右ラフから残り110ヤードの第3打をグリーン右の斜面に落とし、アプローチもミスして結局6オン2パットのトリプルボギー。完全に優勝争いから脱落した。すると、テレビの国際映像は同組で優勝を争うスサン・ペテルセン(ノルウェー)、16歳のアマチュア、リディア・コ(ニュージーランド)の2人しか放映しなくなった。

 11年にクラフトナビスコ選手権7位、全米女子プロ8位、全米女子オープン5位など、メジャー大会で結果を残してきた。だから「緊張していたわけじゃない」と話したことにうそじゃないだろう。平常心でプレーできなかったことに最大の敗因があっただろう。宮里美香は「気持ちの欲がこういう結果になった」と分析していた。

 誰も勝ちたいと望むメジャーという特殊な舞台。いかに闘志を空回りさせないか。永遠の課題だろう。宮里美香はその罠に落ちた。「(ピンを)狙いたい気持ちが強かった」と明かす。前日までパーオン率77・77%と好調だったショットが「全体的に右に行きがちだった」ことに気持ちの振幅が表れた。下半身が動かず、体が止まった状態だったのではないか。その結果、最終日はパーオン率44・44%で、10ホールでパーオンを逃した。ショットの不調がパッティングにも波及し、第1ラウンド25、第2ラウンド28と復調気配を感じさせたパッティングも最終日は30パットと、スコアメークにもり立てられなかった。

 宮里美香は今大会から、4年間連れ添った外国人キャディーとコンビを解消した。このコンビで昨年は念願の米ツアー初優勝を飾っていたが、日本語と英語で細かいニュアンスを伝えきれずに苦心するシーンがあったようだ。「いろいろ教えてもらったし、キャディーとしてもよかったけど、そろそろ別れ時かな」と悩んでいたが、遂に決断した。そして、たまたま依頼があった、石川●の元キャディー、加藤大幸さんとコンビを組み、「かなり新鮮。日本語というのは」と素直に驚きながらも、第1、2ラウンドで首位に立った。それだけに、結果は残念だったが、意思疎通の効果が早速表れた格好になった。

 ホールアウト後、「悔しいというのもそうだけど、自分の中で歯がゆい。2日間、良いゴルフをして、この結果だったから」。宮里美香はあふれる涙を抑えきれなかった。“球聖”ボビー・ジョーンズは「人は敗れたゲームから教訓を学び取るものだ。私は勝ったゲームからまだ何も教えられたことがない」と語っている。さらにこうも話した。「(日本選手のメジャー制覇は)近づいていると思う。いや、近づかなくてはいけないですよね」。早くも何かを学んでいる。(アイアンセット


タグ :宮里美香

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